「老化」だけのせいじゃない!? 白髪の主な原因とは
そもそも白髪は「歳を重ねるごとに増える」という認識が一般的ではないでしょうか。しかし実際のところは、20代前半からぽつぽつ増えはじめる方もいれば、40代に差し掛かってようやく1、2本生えてきたという方もいますよね。この差は一体どこにあるのでしょうか。
まず知っておきたいのが白髪の生える仕組みについて。「日本人の髪色といえば?」と聞かれると大抵の人は「黒」と答えるでしょう。でも本来の髪の毛は白色をしていて、毛根のなかにある「メラノサイト」という細胞がメラニン色素をつくり出し、生える過程で髪の毛に色付けをしています。
メラノサイトからつく出されるメラニン色素は「ユーメラニン」と「フェオメラニン」の2種類。ユーメラニンは黒色、フェオメラニンは黄色の色素です。わたしたち日本人の髪の毛には多量のユーメラニンが含まれることからアジアンビューティーの象徴、美しい黒髪が生まれるのです。
メラノサイトは頭皮から適切な栄養を受け取り、健康な状態を保つことで正常に働きます。黒髪にとって大切なメラニンを生成するメラノサイトの機能が、何らかの原因によって低下することで白髪が増えてしまうのです。ではここからはメラノサイト機能の低下につながる主な原因をみていきます。
①栄養不足
メラノサイトが正常に働くためには、「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」をバランスよく摂取することが必要不可欠です。なかでもタンパク質は、髪の毛の主成分のうち90%以上を占めています。髪の毛の主成分となるタンパク質は18種類のアミノ酸からつくられており、そのなかでも特に「L-リジン」と「チロシン」と呼ばれるものが重要だといわれています。
L-リジンは、これもまたアミノ酸の一種である「オルニチン」と一緒に摂取することで、髪の毛の育成を促す働きがあり、チロシンはメラニン色素の原料となります。その他、ミネラル、ビタミンも健康な髪の毛を保つために重要な栄養素であり、これらを毎日の食事のなかで適正量摂取することでメラノサイトの機能を活性化することが可能です。
②ストレスや冷え、ホルモンバランスの変化による血行不良
通常時、人間の身体は交感神経と副交感神経が交互に働いています。交感神経が緊張状態を保つことで脳や感覚は研ぎ澄まされ、アクティブに動けるようになります。それに対し、副交感神経に切り替わると気持ちがリラックス、体内の機能も落ち着きます。
しかし、この2つの切り替えが上手くいかなくなったり、どちらかが正常に働かなくなったりしてしまうと、「めまい」「不眠」「頭痛」などあらゆる不調が引き起こされます。そういった状態が続いてしまうと、血流が悪くなり頭皮環境も悪化。体調を崩すと髪の毛がパサつくように、メラノサイトも活動低下してしまう恐れがあります。
③過剰な紫外線
頭皮が紫外線の刺激を受けることで、活性酸素が生成されます。体内の活性酸素が増加すると身体は酸化。細胞や遺伝子が正常に働きにくくなってしまいます。それにより、メラノサイトの働きも鈍り、白髪の原因となってしまうのです。