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食欲の秋を楽しむ!秋が旬のおすすめ食材と栄養たっぷりレシピ

読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋……秋といえばいろいろありますが、やはり一番は「食欲の秋」でしょう!魚に野菜、果物と、さまざまな食べ物が旬を迎え、美味しいものが溢れる季節です。そこで今回は秋の食材に含まれる栄養素を分かりやすく解説していきます。最後には秋の味覚を使った栄養満点のレシピをご紹介!美味しく簡単な料理ばかりなので、ぜひ毎日の献立作りに役立ててください。

秋が旬の食材

食欲の秋とは別に「実りの秋」という言葉もある通り、秋はたくさんの作物が収穫の時期を迎えます。野菜ならキノコ類やイモ類が代表的で、冬に備えた身体づくりをするにはぴったりです。果物も梨狩りやブドウ狩りが盛んに行われています。魚介類の多くはその身にたっぷりと栄養を蓄えており、脂も程よく乗っています。この時期に旬を迎える食材は、美味しく栄養満点なものばかりです。

代表的な旬の食材を下記の表にまとめたので、お買い物や献立を考える時の参考にしてください。なお、旬の時期は天候や地域によって前後する場合があります。

野菜 果物 魚介
かぶ、かぼちゃ、さつまいも、さといも、じゃがいも、チンゲン菜、にんじん、まつたけ イチジク、柿、栗、すだち、梨、柚子、りんご、ブドウ、柘榴、カリン、レモン カツオ、鮭、サバ、秋刀魚、シラス、ニシン、イクラ、伊勢海老、スルメイカ

秋に食べたい旬の食べ物5選

数ある旬の食材の中から特におすすめの食材を5つご紹介します。それぞれが持つ驚きの栄養効果にご注目ください。

さつまいも

イモ類といえば食物繊維を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。そのイメージ通り、さつまいもには食物繊維がたくさん含まれており、中サイズ1本(約250g)で約7gの食物繊維を摂ることができます。これは1日あたりに必要な食物繊維量の不足分とほとんど同じです。厚生労働省が定めた目標量は男性21g以上、女性18g以上ですが、実際の平均摂取量は男性で19g、女性で17g前後だといわれています。

食物繊維は便秘予防などの整腸作用に始まり、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロール値を下げたりと、さまざまな健康効果がある栄養素です。意識的に摂取を心がけて、不足しないようにしたいですね。

また、さつまいもはカリウムも多く含んでいます。カリウムは体液を調整する働きを持つ重要な栄養素です。ナトリウム(塩分)を体外に出す働きもあることから、高血圧やむくみ予防に効果があります。日本人は動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などを発症する割合が高い傾向にあるので、カリウムの摂取は必要不可欠です。さつまいも中サイズ1本からは、一食で摂るべきカリウムの約2分の1を摂取できます。

秋はさつまいもを積極的に食べて、不足している栄養素を補いましょう。

かぶ

世界各地で古くから親しまれてきた野菜の一つがかぶです。日本では手のひらに収まるサイズの白く丸い根が特徴的ですが、かぼちゃと同じくらい大きなもの、大根のように縦に長いもの、赤や黄色などのカラフルなもの……気候や土壌によってさまざまな品種が栽培されています。

かぶには多くの栄養素がバランスよく含まれていますが、特筆すべきはβ-カロテンの量です。β-カロテンは強力な抗酸化作用を持つので、老化やガンの予防が期待できます。また、体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、目の健康維持や免疫力アップにも効果的です。

ただし、注意してほしいのがβ-カロテンは葉の部分に含まれているということ!かぶの葉の使い方が分からず捨ててしまう方もいますが、かぶの中で最も栄養があるのは葉の方なのです。栄養面だけで考えれば、かぶの主役は間違いなく葉っぱでしょう。根っこ同様、葉の方もクセがなく多種多様な料理に使える万能野菜です。かぶは余すことなく丸ごと食べましょう。

よくスーパーに並んでいる甘柿には、1個あたり約140mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCの摂取推奨量は1日あたり100mgですから、柿を1個食べるだけで1日分のビタミンCを摂取できるというわけです!ビタミンCは皮膚やコラーゲンの合成に関わっており、美しく健康的な肌を保つために欠かせません。また、体内の活性酸素を減らす抗酸化作用を持っているので、体内の細胞が傷つくのを防ぐ役目もあります。

加えて、柿にはβ-クリプトキサンチンという栄養素も豊富に含まれています。これは黄色系のカロテノイド色素の一種です。近年の研究で、β-クリプトキサンチンには生活習慣病を予防する健康効果があることが明らかになりました。なんと、コレステロールや中性脂肪が増える脂質異常症のリスクを下げ、後天性の糖尿病(2型糖尿病)の発症リスクを半減させるというのです!さらに、骨の代謝を上げる効果があるので、骨粗しょう症を予防する働きもあるといいます。

もはやスーパーフルーツと言っても過言ではないほどの高い栄養価・栄養効果です。旬の今こそ積極的に食事へ取り入れたいですね。

参考:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構「ウンシュウミカンの健康機能性の解明」

カツオ

カツオは旬が2回あり、春に獲れるものは初鰹、秋に漁獲するものは戻り鰹と呼ばれます。初物好きの江戸っ子は縁起物として初鰹をありがたがっていましたが、食文化の発展した京都や大阪では戻り鰹の方が人気でした。というのも、餌をたっぷり食べた戻り鰹は脂がたっぷりと乗っていて、旨味が倍増しているからです。そのため、戻り鰹はトロ鰹とも呼ばれています。

カツオの優れた点は美味しさだけではありません。栄養も非常に豊富で、良質なたんぱく質や鉄分がたっぷり含まれています。しかし、特に注目すべきはアミノ酸の種類と量です。

アミノ酸の中には、人間の体内で生成することのできない必須アミノ酸が9種類あります。これらは成長促進や肝機能向上など、生きていくうえで欠かせない重要な役割を持つ栄養素です。一つの食べ物の中にどれくらいの必須アミノ酸が含まれているのか、必要量をもとに計算するアミノ酸スコアというものがあります。カツオはアミノ酸スコアが100、つまり満点の食材です!美味しく栄養豊富な戻り鰹を食べない手はありませんね。

秋刀魚

読んで字のごとく秋を代表する魚といえば秋刀魚です。秋刀魚はビタミンB群やミネラルなども多く含んでいますが、特に豊富なのはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)の2つ。どちらも必須脂肪酸なので、食品から摂らなければいけない栄養素です。

DHAは記憶力向上や認知症予防など、脳の働きを活発にする効果があります。EPAは血液をサラサラにしたり、中性脂肪を減らしたりするので、生活習慣病予防に効果的です。これらの栄養効果はさまざまな分野で注目され、特に医療分野では予防医学の観点から積極的に摂るよう推奨されています。

DHAとEPAは青魚に多く含まれていますが、その中でも秋刀魚の含有量は群を抜いています。しかも旬の時期は特に栄養価が高くなるので、積極的に食べたい食材の一つです。

秋の味覚を使ったおすすめレシピ

上記でご紹介した5つの食材を使った、美味しくて簡単に作れるレシピをお伝えします。気になるレシピがあれば、毎日の献立にぜひ取り入れてみてください。

さつまいもと具だくさん味噌汁

【材料】2人分
さつまいも…中1/2本
にんじん…1/3本
玉ねぎ…1/2個
刻みねぎ…適量
味噌…大さじ1強
だし汁…300ml

【作り方】
①さつまいもとにんじんの皮を剥き厚さ1㎝のちょう切りにし、さつまいもは水にさらしてアクを抜いておきます。玉ねぎは皮を剥き、くし形に切ります。
②鍋にだし汁300mlと具材を全て入れ、火にかけます。だし汁が沸騰し、具材に火が通ったら一度火を止めます。
③沸騰が収まったら味噌を溶き入れ、煮立たせないように注意しながら再度火にかけます。沸騰する直前で刻みねぎを加え、火を止めて出来上がりです。

さつまいもと柿のスイートサラダ

【材料】2人分
さつまいも…中1/2本
柿…1個
レーズン…適量
ヨーグルト…大さじ2
レモン汁…小さじ1
ハチミツ…お好みで

【作り方】
①柿とさつまいもは皮を剥いて1~1.5㎝角に切ります。
②さつまいもを水にさらしてアクを抜き、500Wのレンジで4分加熱します。
③すべての材料をよく混ぜ合わせて出来上がりです。

かぶとベーコンのスープ

【材料】2人分
かぶ…1個
厚切りベーコン…1枚
固形スープの素…1個
塩コショウ…少々

【作り方】
①かぶの根は皮を剥いて薄切りにし、葉は2㎝幅、厚切りベーコンは1㎝幅に切ります。
②鍋にベーコンを入れて軽く熱し、かぶを加えて炒めます。
③ベーコンの油が全体に回ったら水を注ぎ、固形スープの素を入れて溶かします。
④煮立った後、塩コショウを振って味を調え、ひと煮立ちさせたら出来上がりです。

カツオと秋刀魚のカレー焼き

【材料】2人分
カツオ…1切れ
秋刀魚…1尾
塩…少々
カレー粉…小さじ2
小麦粉…適量
油…適量

【作り方】
①カツオと秋刀魚は食べやすい大きさに切って塩を振ります。
②カレー粉をカツオと秋刀魚の表面にすりこみ、小麦粉を薄くまぶします。
③フライパンに油を熱し、中火で両面をこんがり焼いたら出来上がりです。

まとめ

気候が涼しく過ごしやすい秋は、たくさんの食べ物が旬を迎えます。普段から店頭に並んでいる食材も美味しさを増し、調理や食事が楽しみになる季節です。しかし秋は非常に短く、やっと夏が終わったと思ったらすぐに木枯らしが吹き始めてしまいます。この貴重な時期を逃さず、食欲の秋を味わってください。

えいようJoinでは食材の美味しい食べ方や、栄養を無駄なく摂れる調理方法などのご相談を受け付けています。個人への食事・栄養指導も承っているので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

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