ハーブに含まれる香りや栄養成分は心身のバランスを整える力があると言われており、古代から薬としても親しまれてきました。肌の状態を改善するためには自分にあったスキンケアを見つけることももちろん大切ですが、食べるものに意識を向けることも重要です。そこで今回は、エイジングケアやデトックスといったインナービューティーにぴったりのハーブを使ったレシピをご紹介します。見た目や香り、味わいを存分に楽しむことで内側から輝く肌を育てていきましょう。
目次
エイジングケアの強い味方! 抗酸化力トップクラスのローズマリー
夏が近づくと紫外線対策に力を入れる方も多いのではないでしょうか。
紫外線を浴びすぎることが肌に悪いのは間違いないのですが、一方で太陽の光を避けすぎるのも実は問題です。
オフィスワークだけでなく在宅ワークの普及により太陽光を浴びなくなった現代人には、紫外線を浴びることで作られるはずのビタミンDが不足傾向にあり、肌が衰える原因になっていると言われています。
抗酸化力はトップクラスと言われているローズマリーは、その力からハーブの世界では「若返りのハーブ」とも呼ばれているほどです。
ポリフェノールが豊富なグレープフルーツと組み合わせることで内側から肌劣化の防止が期待できますよ。
ただ、グレープフルーツ等の柑橘類に含まれるソラレンには紫外線の吸収を高める性質があるため、朝に食べるのは避け、夕食時に摂るようにするのがおすすめです。
グレープフルーツとローズマリーのマリネ
写真はイメージです
<材料>
・グレープフルーツ:1個
・白ワイン:大さじ2
・水:100ml
・ハチミツ:大さじ1
・ローズマリー:2本
<作り方>
1.鍋に白ワイン、水、ハチミツ、ローズマリーを入れ、かき混ぜながら火にかけ、シロップをつくる。
2.沸騰したら火からおろし、粗熱を取る。れた1に皮を剥いたグレープフルーツを漬ける。
3.グレープフルーツの皮を剥き、房も取り除く。
4.2のシロップに3のグレープフルーツを漬け、半日ほど冷蔵庫で馴染ませたら完成。
<管理栄養士のおすすめポイント>
そのまま食べてももちろん美味しいですが、鯛やホタテなどの魚介類、ブラッターチーズなどと合わせ、オリーブオイル・塩・ブラックペッパーをかけるだけで爽やかな1品が出来上がります。
残ったシロップも美味しいので、ソーダ割りにしてドリンクとして楽しんでください。
なんとなくお肌に元気がない…という方におすすめ! ビタミンCが豊富なコリアンダー
コリアンダーの濃い緑色の素である「βカロテン」は高い抗酸化力を持ち、体内で吸収されるとビタミンAに変わります。
皮膚や内臓の粘膜を強化して、肌の細胞を元気にして美肌に導いてくれます。同じく抗酸化力の強いビタミンEも豊富。
血行を促進し栄養を隅々まで行き渡らせることで、肌を美しくする効果があると言われています。
他にもビタミンCも豊富で、肌のハリを支えるコラーゲン生成を高めてくれます。
オーツ麦やきゅうりは、食物繊維、ビタミンとミネラルを含んでいて、コリアンダー同様にビタミンCがコラーゲンの合成を助け、鉄分の吸収を促進してくれます。
また必須ミネラルであるカリウムの効果で、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促し、むくみの予防にも効果的です。
参考:ResearchGate/Carotenoid and melanin pigment coloration affect perceived human health
オーツ麦とコリアンダーのサラダ
写真はイメージです
<材料>
【サラダ】
・オーツ麦:大さじ2
・きゅうり:1本
・オリーブオイル:小さじ1
・にんにく:1/2片
・ミニトマト:3個
・コリアンダー:1株~お好みで
【ドレッシング】
・オリーブオイル:大さじ1
・ワインビネガー:小さじ1
・砂糖:小さじ1/3
・塩、黒コショウ:少々
<作り方>
【サラダ】
1.きゅうりは千切り、ミニトマトはくし形に4つ切り、コリアンダーはざく切りにする。
2.鍋で水(分量外)を沸騰させ、オーツ麦を入れて15分程ゆでたら、ザルにあげてしっかり水気をきる。
3.フライパンにオリーブオイルと薄切りにしたにんにくを入れて火にかけ、香りが立ってきたら、2のオーツ麦を入れてさっと炒める。
4.ボウルに1と3を入れてよく混ぜ、器に盛りつける。
【ドレッシング】
1.ボウルにドレッシングの材料をすべて入れ、砂糖が溶けるまでよく混ぜる。
2.サラダにドレッシングをかける。
<管理栄養士のおすすめポイント>
サラダにお肉や魚介類を加えるのもおすすめ。コラーゲンを含むたんぱく質は20種のアミノ酸でできていて、食事で摂ると消化されて一度アミノ酸やペプチドに分解されて体内に吸収されたあと、コラーゲンや他のたんぱく質に再合成されます。
美肌のためには20種のアミノ酸をバランスよく含む、肉・魚・卵・大豆・乳製品等の良質なたんぱく質を摂取することが大切なのです。
プチプチ食感が料理のアクセントに! 美味しい抗酸化食材・ケーパー
ケーパーにはポリフェノールの一種であるケルセチンが含まれており、ビタミンEより強い抗酸化力を持っています。
ケーパーはいつものパスタソースにも刻んで少量加えたり、そのままサラダに加えたりすることで味のアクセントになりますよ。
サーモンの赤い色素はアスタキサンチンと呼ばれ、これもエイジングケアに効果的な成分です。
化粧品やサプリメントなど美容の分野にも使われている注目されているもので、ナッツやアボカドに豊富なビタミンEの千倍以上とも言われ、美肌効果が期待できます。
参考:PubMed/Cosmetic benefits of astaxanthin on humans subjects)
サーモンのステーキ ケーパー入りソース添え
写真はイメージです
<材料>
【サーモンステーキ】
サーモン(生食用):200g
塩:少々
オリーブオイル:大さじ1
【ソース】
・マスタード:小さじ1/2
・プレーンヨーグルト:大さじ1~2
・グリーンオリーブ:10粒~
・ケーパー:大さじ1~
・ピンクペッパー:お好みで
<作り方>
【サーモンステーキ】
1.サーモンは両面に塩を振って20分程度置き、表面から出てきた水分をペーパーできれいに拭き取る。
2.フライパンにオリーブオイルを熱して、中火で1の片面を焼き、ほんのり色づいたらひっくり返す。
3.サーモン全体に軽く焼き目がついたら取り出し、食べやすい大きさにカットする。
【ソース】
1.グリーンオリーブとケーパーを粗みじん切りにする。
2.小皿で1とマスタード、プレーンヨーグルト、ピンクペッパーを合わせてよく混ぜ、サーモンステーキに添える。
<管理栄養士のおすすめポイント>
サーモンの焼き具合はお好みで問題ないですが、栄養面を考えるとレアがおすすめ。
サーモンの脂に含まれるオメガ3には肌の生まれ変わりを司る細胞の機能を高め、ターンオーバーを整える働きがあります。これは加熱や空気に触れることで劣化するため、できるだけ生に近い状態で食べましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ハーブはインナービューティーにぴったりの食材です。美肌対策は世代を問わず、とても気になるところ。
抗酸化作用や紫外線ケア、身体のめぐりを良くする等、美容を気にする方にとってはうれしい効果が期待できます。
ハーブティーだけでなく今回のようにいつものお料理に取り入れることもできますので、ぜひいろいろ試してみてくださいね。