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コラム

管理栄養士が行う栄養相談の流れと、効果的なカウンセリングのポイント

管理栄養士が本領を発揮できる仕事の一つに、栄養相談があります。栄養相談の流れと、どういったカウンセリングが良い効果を生むのかについて、お伝えします。

栄養相談とは

食事や栄養状態に関する情報を提供し、適切な指導を行うサービスです。
健康維持や疾病管理、体重管理、食事改善など、目的に合った情報提供が求められます。

栄養相談の流れ

栄養相談は下記のような流れに沿って進められることが一般的です。

Ⅰ)予約

フリーランスだと、事務所、飲食店、ホテルのロビーなどの活用、オンラインや電話での相談など、サービス提供の場はさまざまです。
プライバシーの保護、集中して話ができる状況か、交通の便なども含め、環境の配慮が必要です。ご予約時にはクライアントの希望を確認しましょう。

Ⅱ)面談(ヒアリング)

面談では、健康状態、食事習慣、目標、制約条件などについて情報を収集します。

また、身体測定や血液検査結果などのデータがある場合は、合意の上で、それらを参考に栄養評価が行うこともありますが、診断となる行為は法律で禁じられています。
取り扱いにはお気をつけください。

Ⅲ)目標設定から行動計画の立案と評価

目標設定が明確であるほど、行動変容に繋がりやすい傾向にあります。
まずはそこに基づいて、具体的な行動計画を決めます。

食事のタイミング、食品の選び方や調理方法など指導を行ったうえで、実行できる内容を、話し合いながら決めていきます。

携帯アプリの活用や、個人の記録を次回の面談時の報告してもらうなどの評価も必要です。

Ⅳ)フォローアップ

栄養相談は一度きりではなく、通常は複数回を設定します。
振り返り、必要に応じて行動目標を改定します。

早く達成したいからと、いくつも行動計画を立てるのは良くありません。
スモールステップを確実にこなすことが自信にも繋がります。

効果的なカウンセリングのポイント

カウンセリング時に意識したい主なポイントは以下になります。

Ⅰ)信頼関係を築く

クライアントの意見や感情に共感し、尊重することで、クライアントが自身の問題や目標をオープンに話しやすくなります。
ヒアリングで体調や感情面を把握することも、効果を出すために必要なプロセスです。

Ⅱ)クライアント中心のアプローチ

「こうしてほしい」という管理栄養士からのプランは、専門職だからこそ伝えたくなりますが、実行するのはクライアントです。
よほど軌道がずれていない限り、本人の希望を優先します。
クライアントの生活習慣や好み、文化的な背景を考慮し、実現可能な目標を共有しましょう。

Ⅲ)具体的な目標設定と計画

頑張る、痩せる、といった漠然とした目標設定は長続きしません。
減量目的であれば、「医師に言われたから」より「どんないいことが待っているか」等、明るい未来を描けるといいですね。
たとえば、何のため(友人の結婚式におしゃれなスーツを着る)、いつまで(結婚式の日取り)、どのくらい(〇㎏減量、ウエスト〇cm)と目標を設定し、それに向けた行動計画を立てます。

計画も、歩く、ジムに行くでなく、〇曜日の〇時から、○時間運動する、おやつは3時に1回、手のひらの半分の量など、明確で具体的に。
効果が出やすくなります。

Ⅳ)クライアントの気持ちを明確に

思考や気持ちを深掘りし、達成したらどういった未来が待っているのか、停滞していたら、その理由は何か、など、クライアントを映し出す鏡となる質問を投げかけます。
目的を明確にすることが継続に繋がり、継続することで効果が得られます。

まとめ

以上が一般的な栄養相談の流れと効果的なカウンセリングのポイントです。
管理栄養士は、クライアントの健康や栄養状態を改善するためにベストを尽くしますが、実際に実行するのはクライアントなのだ、ということを常に年頭に置きましょう。

改善が見えた時、クライアントの喜びが何よりの報酬となるはずです。

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