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体に良い食べ物とは?日本一寿命が長い都道府県の食事情に迫る!

日本は世界でも有数の長寿国ですが、みんながみんな長生きできるわけではありません。実際、死因が老衰のケースは全体のわずか10%にも届かないのです!多くの方は病気で亡くなっています。実際、2020年に入ってからは新型コロナウイルスによる感染症が重症化して亡くなる方が世界中で相次いでいる状況です。ですが、できれば健康に長生きしたいですよね。皆さんが健康を保つうえで気をつけていることはありますか?今回は食生活の面で気をつけるべきことをまとめました。中には、あっと驚くような新常識も!長く健康で過ごしたい方は必見です!

日本一寿命が長い都道府県はどこ?

厚生労働省が発表した平成27年都道府県別生命表によると、平均寿命が最も長い県は、男性では81.78歳の滋賀県、女性では87.67歳の長野県となっています。また、上位5位までの都道府県を見てみると、男性女性ともにランクインしているのは長野県と滋賀県のみでした。ちなみに長野県は男性だと2位で81.75歳、滋賀県は女性だと4位で87.57歳です。なぜ長野県と滋賀県では寿命が長いのでしょうか?その秘密を「食」の面から解き明かしていきましょう!

参考:厚生労働省「平成27年 都道府県別にみた平均余命」(pdf)

日本一の長寿県、長野はなぜ長生きする人が多いのか

最初に述べた数値を比べてみると、平均寿命の総合1位は長野県です。よって実質日本一の長寿県と言っていいでしょう!1位になる前も長年上位を保ってきましたが、そこには長野県の行政と地元の人々による健康を保つための弛まぬ努力があったのです。それをご紹介していきます。

野菜の消費量日本一!

平成28年に厚生労働省が行った調査によると、一日当たりの野菜摂取量の平均が最も多いのは男女ともに長野県で、男性だと352g(全国平均284.2g)、女性だと335.3g(全国平均270g)と圧倒的に野菜の消費量が多いのです!

長野県はアルプスの山々に囲まれた自然豊かな土地と冷涼な気候を活かし、高原野菜を中心とした野菜の栽培がさかんに行われています。新鮮な野菜が手に入りやすい環境のため、普段から野菜を食べる人が多いのでしょう。

参考:厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査報告」(pdf)

県ぐるみの減塩運動

長野県の伝統的な食事は非常に塩分が高いです。というのも、食塩や味噌を漬物や発酵食品づくりなどで大量に使用するからです。寒暖差の激しい中央高地の気候区分に属する長野県は、厳しい冬を越すために大量の野菜や果実を保存するのが慣習でした。そのような背景があることで、料理の味付け自体も濃くなってしまったのです。

しかし、あまりにも高血圧患者が多く、脳血管疾患(脳卒中)で亡くなる人が相次いだため、昭和20年から減塩運動が始まり、だんだんと今のように県を挙げて取り組むようになっていったのだとか。長野県食生活改善推進協議会や長野県栄養士会の発足と各地域での食育・減塩指導をしたり、最近では信州の食材を使った美味しくて健康的なレシピをインターネット上で紹介したりしているそうです。そのおかげで、厚生労働省の定めた一日あたりの食塩摂取量である男性8.0g、女性7.0gを目標に、年々食塩摂取量は減少傾向にあります。

参考:週刊現代「研究 なぜ長野は日本一の長寿県になったのか」

発酵食品をよく食べる長野県民

先に述べた通り、長野県では古くから漬物などをよく作ってきていたので、日常的に発酵食品を食べる人が多いです。特に味噌は信州の代表的な発酵食品で、長野県は生産量・消費量ともに日本一を誇っています!発酵食品は乳酸菌などの有用菌を豊富に含むため、食材の栄養価を高めたり、健全な腸内環境を保ったりと嬉しい効果がたくさんあるのです。そんな発酵食品をよく食べるからこそ、長寿県として名をはせたのでしょう。

ただ、漬物や味噌と聞くと塩分が高くて心配に思う方もいるかもしれませんので、ここで補足しておきますね。近年は塩分を控えた商品が好まれることから、以前よりも塩分の少ない漬物が普及しています。しかも、漬物に使われる野菜や魚の多くには豊富にカリウムが含まれているのです!

カリウムは塩分の素であるナトリウムと結びついて、体内の水分や血圧を調整する役割を持っています。カリウムが豊富な漬物を選べば余分に摂取してしまったナトリウムも体外へ排出できるので、よほどしょっぱい漬物でない限りは毎日食べても大丈夫です。

味噌についても心配はいりません。味噌の発酵過程で作られるアミノ酸の一種、γ-アミノ酪酸は通称GABA(ギャバ)と言い、健康に良い効果をもたらすとして、近年注目を集めている成分です。ストレスや緊張を和らげて心身をリラックスさせる効果があります。自律神経への働きかけによって安眠や血圧低下に作用することが確認されているので、飲みすぎたり濃い味付けにしたりしなければ、味噌によって血圧が上昇することはありません。

参考:週刊現代「研究 なぜ長野は日本一の長寿県になったのか」
参考:つけもの倶楽部「漬物で健康的な体を手に入れる!知られざる漬物パワーとは!?」

年々平均寿命を延ばす滋賀県民が長生きする秘密とは?

実は、滋賀県は最初からご長寿県だったわけではありません。滋賀県の平均寿命がどんどん延びてきたのは平成も半ばを過ぎてから。その裏には健康に対する行政の関心の高さと根気強い取り組みがあったのです。というわけで、ここからは滋賀県の健康増進に向けた試みと、滋賀県の食事情をご紹介していきます!

参考:厚生労働省「平成27年 都道府県別に見た平均寿命の推移」(pdf)

生活習慣病対策で死亡率低下

滋賀県は他の都道府県よりも早い段階で生活習慣と各種疾患の関係に着目して、県民たちへ意識づけを行ってきました。その一つがたばこ対策です。受動喫煙を減らすために禁煙や分煙を推奨しました。県には苦情が殺到したそうですが、それでも圧力に負けずに続けていったところ、今では喫煙者率ワースト1位、つまり喫煙者が最も少ない県になったのです!

また、長野県でも行っている減塩運動は滋賀県でも行われています。滋賀県の場合はボランティア活動に意欲的な住民が多いこともあり、現在では約3600人の健康推進員がボランティアとして各地域で減塩指導を行うなどしているそうです。自治体での取り組みもさかんで、減塩をきっかけに町おこしを試みたり、学校給食の減塩にも取り組んだりしている地域があります。

長寿を支える滋賀県のソウルフード

滋賀県の健康増進に一役買っている郷土料理と食材をご紹介します!これを読んだらお取り寄せしたくなること間違いナシです!

①鮒寿司

周りを海に囲まれた内陸県とはいえ、滋賀県には琵琶湖という日本一大きな湖があります。滋賀県民の食卓には欠かせないのが琵琶湖で獲れた魚介類です。鮒寿司にも使われるニゴロブナを始め、ビワマスやセタシジミなど、新鮮で美味しい魚介類が獲れる好漁場となっています。

このように恵みの多い琵琶湖と古くから接してきた滋賀県民に伝わる郷土料理が鮒寿司です。ニゴロブナを塩漬けにし、炊き上げたご飯と交互に重ねて数か月以上発酵させて作ります。有用菌はもちろん、アミノ酸やビタミンも豊富なので、滋賀県民の間では「体調が悪い時に食べるとすぐ治る」と薬のように扱われているのだそうです!

参考:産経新聞「【関西の議論】新「長寿県」に躍り出た滋賀 データ活用と草の根運動が結実」(2018/6/28)

②ムベ(郁子)

滋賀県の健康長寿伝説として伝わるムベは、県外の人からするとあまり馴染みがない植物ですよね。しかし、その一方で歴史は非常に古く、7世紀ごろの天智天皇の時代でもよく食されていたそうです。ムベは成長するごとに葉が3枚、5枚、7枚と増えていくことから「七五三の木」と尊ばれ、そこから無病息災の木と言われるようになりました。

これだけ聞くと「なんだ名前だけか」と思ってしまいますが、実際にムベには健康に良い効能がたくさん備わっているのです!まず、葉や茎、根ですが、これらは乾燥させると利尿作用のある生薬になります。腎臓病やむくみなどに効果があるそうです。そして果実にはβシトステロールやアミリンなどの成分が含まれており、コレステロール値の低下や過食防止を助ける働きをしてくれます。

ちなみにムベの実はネット通販でも購入できます!ジャムやシャーベットに加工したり、ジュースとして飲んだりすると食べやすいです。

参考:BOTANICA「ムベ(郁子)とは?その特徴や伝説の果実といわれる理由をご紹介!アケビとの違いは?」

減塩メニューと発酵食品で100歳まで健康に

長野県と滋賀県の食事情を見てきて気づいたことはありませんか?

そう!どちらも減塩に取り組んでおり、発酵食品を日常的に食べているのです!つまり、長生きする秘訣はここに集約されているということですね!減塩によって高血圧や生活習慣病を防ぎ、発酵食品を食べることで効率よく栄養を摂取できます。ぜひ、今晩の夕食からメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか?いつもより薄味にする、減塩の調味料を使う、毎食発酵食品を一つは入れるなどを少し念頭に置いて買い物や料理に役立ててください。

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