サロン経営を成功させる秘訣は差別化!!
世の女性が経済的に自立したこと、美容を意識する男性が増えたことにより、美容市場は年々拡大しています。しかし、一方で倒産に追い込まれるサロンも少なくありません……。そこでこのコラムでは安定した集客と売上アップのために必要な「差別化戦略」について分析しました!
「彼を知り己を知れば百選殆うからず」という孫子の言葉をもとに解説していきます。

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情報不足では競争できない!差別化を図るためのキーワード!!

彼を知り己を知れば百戦殆うからず

この故事はとても有名な言葉ですね。孫子が兵法における心得について説いた名言です。現代では、スポーツやビジネスの場で広く使われている言葉になっています。ここに差別化の極意が詰まっていると言っても過言ではありません!それでは詳しく見ていきましょう。

まず「彼」とは誰かを正しく認識しなければいけません。孫子の時代は戦乱の世の中でしたから、当然「敵」のことを指しています。しかし、あえて敵ではなく彼と表したのは、もっと広義に解釈できるようにするためではないでしょうか?たとえば、味方の心を掴む時、協力者と交渉する時などにも使えると思います。

ここから、サロンにとっての「彼」の姿も見えてきませんか?もちろん、まずは競合サロンですが、その他にも一緒に働くスタッフや、来てくださるお客様が「彼」であり、一番に知らなければならない相手だということです。

皆さんよく勘違いされがちですが、一番に知るべきは自分たちのことではありません!なぜなら、あなたが強みだと思っているものは競合にとっては普通のことであったり、お客様にとっては魅力的でなかったりする場合があるからです。そうするとただ空回りしているだけで、それなのに内側にばかり目を向けているため、問題に気づけなくなってしまいます。あるいは独りよがりに陥ってしまうかもしれません。まずは相手をよく知りましょう。そうすれば自ずと「己」の姿も見えてきます。

お客様を知るには

「彼」の中でも最初に知るべきなのはお客様についてです。競合とは同じ顧客層を取り合うライバルのこと。つまり、まずは自分のサロンのお客様を明確にしなければ、どこが競合なのか曖昧になってしまいます。ですから、今までのカウンセリングデータなどを基にお客様を分析することから始めましょう。

何らかの基準で分類することをセグメンテーション(細分化)と言います。サロンにおけるセグメンテーションでは、主に「性別」、「年齢」、「住まい」、「よく利用する施術内容」、「来店頻度」、「会計金額」ごとに区分できますね。お客様をそれぞれのセグメントごとに分けて、サロンの売上に最も貢献してくれるのはどのようなお客様なのか、もっとアプローチをかけるべき顧客層はどこなのかを明確にしましょう。何か思わぬ発見があるかもしれません。

その先からはお客様にも協力してもらう必要があります。お客様アンケートを実施しているサロンもあるかと思いますが、それと同じ要領で生の声を聞くのが一番手っ取り早く、しかも確実です。ここで訊くべきこととして、参考までに5つ挙げました。

・ どんな時にサロンに来ようと思うか
・ サロンへ行くのを悩む、または止める時はどんな場合か
・ 何をきっかけに自社のサロンを知ったか
・ 今抱えている悩みは何か
・ 今後、自分がどうなりたいか

以上の5つの設問から、既存のお客様はもちろん、潜在顧客層(見込み客)にも今後どうアプローチすべきかが分かります。やってみて損はないので、ぜひお客様から意見をもらってください。

競合を知るための押さえておくべき4つのポイント

お客様を知る過程でいくつかキーワードが出てきたと思います。ここから、どこのサロンが競合なのかを調べましょう。たとえば「池袋」、「ヘアセット」、「早朝」というキーワードでネット検索をかけるとします。するとGoogleマップを始め、各ポータルサイトのページが出てきますよね。そこに載っているサロンが競合サロンです。

次に、出てきた競合サロンの分析をします。一番簡単なのは自分が客としてそのサロンに行くことですが、時間やお金がある程度必要なので、多少の手間はかかってもネットでの情報収集に努めるのが良いと思います。とはいえ、やはり現場でないと感じ取れないものはありますから、情報収集した上で実際に行ってみたいサロンがあれば、一度試しに行ってみてはいかがでしょうか?

さて、ここではネットで情報を集め、競合分析をする際に押さえておくべき4つのポイントを説明していきます。

集客コンセプト 集客にあたって意識しているお客様のニーズは何か

同じ顧客層を取り合っていても、どのニーズを満たしているかはサロンによって変わってくるはずです。競合サロンが対象としているニーズを見つけましょう。そこから、自分たちが見落としていたニーズや、あるいは競合が手を出していないニーズを見つけられるかもしれません。まだ誰も対象としていないニーズが分かれば、そのニーズを抱える潜在顧客を引っ張れるということです!

一つだけ気を付けてほしいのが、一口にコンセプトと言っても種類が多岐にわたること。単なるキャッチコピーや、サロンの理念や方向性などもコンセプトと呼ばれているからです。ここで言う集客コンセプトは「誰に」、「何を」、「どのように」、「どうなる」を凝縮した、要するにサービスの価値を単純明快に表す語を指します。

たとえば、全国に567店舗を構え、海外進出も果たしているQBハウスのコンセプトは「10分間の身だしなみ」です。ちょっとしたすき間時間にササっと髪を整えられる10分カットを端的に示しています。このように集客コンセプトに目を向けて、お客様にどうアプローチしているのかを探りましょう。

参考:QBハウス公式ホームページ

提供価値 どんな価値をお客様に提供しているか

顧客満足度を高めるために重要なのが提供価値です。提供価値とは別名ブランドバリューとも言い、お客様の要望や期待に沿ったものをいかに提供するかが求められます。それは施術の速さであったり、人体に優しい商材であったり、流行への敏感さであったり……。自分たちのお客様のニーズに合ったものを追求していかなければなりません。

たとえば、先日発表されたビューティーパークアワードで今年もゴールドサロンに輝いたNERO HAIR SALONは、「エッジィ×ナチュラル」というコンセプト通り、どこか前衛的でありながらも、自然な抜け感でしっくりくるような髪型を提供しています。「人と被らないヘアスタイルが良いけど浮きたくない」、「いつもとは少し違った自分にチャレンジしたい」というお客様に人気です。

このように、提供価値はサロンごとに異なるので、競合サロンがどのような価値を提供しているのかを調べましょう。可能であれば、それがお客様の満足度にどれだけ貢献しているのかを分析できると良いですね。

宣伝方法 何を通じてお客様とコンタクトを取っているか

紙媒体ならチラシやポスター、ネット媒体ならサロンのホームページやSNSなど、サロンによって採用している宣伝方法は様々です。どのような手段で新規顧客を得ているのか、また、リピーターのお客様に対してのアプローチ方法は何かを調べましょう。競合が集中している媒体ではお客様の取り合いが激しくなりますが、逆に言えば他のサロンが使っていない手段を用いれば、それを利用・閲覧するお客様を囲い込めるということです。自分たちのサロンに強力な提供価値がある場合は、あえて倍率の高い方に飛び込むのも良いかもしれません。

業務改善 業務の効率化のために取り組んでいることはあるか

効率よく作業を進めたり、経費を見直して無駄なコストを削減したりすることをオペレーション戦略と言います。スタッフが足りない、客数は多くても売上が低い……。このような悩みを抱えているサロンは少なくないと思いますが、やれることはすべてやっていますか?

業務が上手く回らないと嘆く前に、不要な作業はないか、改善点はないかを考えましょう。単純なことのように思えますが、意外と業務改善に取り組んでいるサロンはないのです。ですから、競合が取り組んでいなければ、自分たちが先に始めるだけで大きなアドバンテージとなります。反対に、もし相手が業務改善に力を入れていたなら、何か学べるところはないか、よく探しましょう。

スタッフを知るための工夫

位置的には「彼」と「己」の間にいるサロンスタッフも重要です。スタッフは常に現場の雰囲気を肌で感じています。業務について、お客様の反応について、一番詳しいのは彼らです。特にオーナーが現場を離れていることが多いサロンでは、彼らの意見によく耳を傾けてあげてください。今後のサロン運営について一番良いアイデアを出せる可能性が高いのはサロンで働くスタッフです。

そのために、風通しの良い会社作りを心がけましょう。思いついたらすぐに言えるような環境を整えること。どんな意見でも否定せずに一度は受け入れること。この2つを意識するだけで、随分と変わるはずです。いきなり高いレベルの工夫・手段を求めるのではなく、小さなところから積み重ねていきましょう。

「なぜこれが?」と思うようなアイデアが功を奏したり、反対に「これは絶対成功する!」と思ったものが上手くいかなかったりするのがこの世界です。スタッフの意見は否定せず、彼らの自主性を尊重してください。

客観的な材料から己を知る

さて、ここからは「己」を見ていきます。自分を自分で判断する(=主観で見る)と正しく分析できていなかったり、本当に見なければならないものが分からず盲目的になったりすることが多いです。

ですから、誰が見ても同じ結果を示す客観的なデータや、他者からの意見を取り入れましょう。見るべきポイントは、上記で述べた競合を知るための4つと同じです。それらの洗い出しができたら、やるべきことはあと2つ!

他者からの意見を取り入れる

先ほど述べた通り、主観に偏っては危険です!そこで、異なる視点から見ることが重要になってきます。サロンにおいての他者で、かつ的確に意見をくれる存在と言えば誰でしょう?……そう!お客様ですよね!

Googleや各種ポータルサイトでの口コミ評価やSNSでの評価をもう一度見直してみてください。また、それだけでは求めている情報が得られないこともあるので、お客様アンケートも実施すると良いでしょう。もう既にアンケートを行っているサロンも多いと思いますが、そのアンケート内容は適切ですか?望んだ情報が手に入るような設問かどうか、確認してみてください。ここで絶対に聞いてほしいのが以下の3つです。

ご新規のお客様へ:
「数あるサロンの中から当サロンを選ぶ決め手になったのは何ですか?」

リピーターのお客様へ:
「当サロンを選び続けてくださる理由は何ですか?」

すべてのお客様へ:
「施術以外に、いいなと思うところがあれば教えてください」

これらの質問に対する答えがそのまま、あなたのサロンの強みになります。弱みをなくすのも大事ですが、売り出すものがなくては戦っていけません。強みを全面的に押し出していきましょう。

強みといえば、競合サロンの弱みは自分たちのサロンの強みにもなり得ます。先の競合調査で出てきた弱みを分析し、どう自分の強みとするかを考えてみてください。お客様が求めているものは、案外そこにあるかもしれません。

ストーリー性を持たせる

サロン設立の経緯や、新メニューをどんな思いで作ったか、来てくれたお客様にどうなってもらいたいのか、などを物語のように組み立てましょう。一つひとつは他と同じ要素でも、そこから生まれるストーリーはあなただけのものです。それだけでも立派な差別化になりますし、それをお客様にも示せれば高い共感を得られる場合があります。特に女性は感情で判断することが多いです。どこで誰からサービスを受けるのか、という過程を大切にします。使えるものは最大限に活かしましょう。

ビューティーパーク内での口コミ評価が良いリラクゼーションサロン SUAIはメニューや店内のつくりからオーナーの想いがよく伝わる良いサロンです。特に、公式ホームページにはお客様に寄り添い、共感を呼び起こすメッセージがたくさん入れ込まれています。ぜひ参考にしてみてください。

差別化する

ここまで来れば、もうほとんど差別化の下地はできています!あとは、ここまでで揃った材料を踏まえて何に特化するかを決めましょう。強みがたくさんあるサロンも、売り出すポイントはなるべく絞った方が良いです。でないと結局何がウリなのか伝わりにくくなってしまいます。

「特定の技術を究める」、「商材にこだわる」、「ニッチな顧客層にフォーカスする」、「(高・低)価格で勝負する」、「ある目的(利用状況)を専門とする」、「地域に密着する」……例を挙げていけばキリがありません。このように、さまざまな特化の仕方があるので、お客様のニーズに合ったサロンの強みを押し出していきましょう!

まとめ

今回のコラムでは、差別化をするためのポイントをお伝えしました。特別、費用がかかることもなく、すぐにでも試していただけるものばかりです。また、今回のコラムに限らず、今までのコラム内容も差別化戦略を図る上での参考になると思います。まだ読んでいない方や、読んだけれど記憶が曖昧という方は、ぜひ他のコラムも読んでみてください!今後も美容業界に参入するサロンの数はますます増えてくると思います。今のうちに差別化へ踏み切りましょう!

参考コラム:サロンの差別化を高める!遺伝子検査を使ったワンランク上のオーダーメイド施術

「もっとサロンを良くしたい」、「もっとお客様に喜んでもらいたい」、そういうたくさんの「もっと」から生まれる飽くなき向上心と探求心から、サービスや接客態度に他との差が生じるのではないでしょうか。オーナーの想いやこだわりがスタッフに伝わり、サービスに反映され、お客様に伝わる。そんな連鎖が最終的に差別化へと繋がるのです。思ったことや感じたことはどんどん周りに発信していきましょう。