都市部からちょっと離れた地域のサロンには、大都市のサロンにはない魅力があります。それは、その地域で愛されるサロンになれるということです。地域密着型のサロンは地元の人々に長く愛されます。そんな愛されるサロンになるためにするべきこと、気をつけるべきことを今回紹介していきます。都市部から外れた地域でサロン(特に理美容室)を持つ方は必見です!その特徴・特色を活かし、アピールして上手に経営しましょう!

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なぜ今、地域に寄り添ったサロン作りが必要なのか

美容サロンは出店数が多いものの、閉店数も断トツで多いです。特に2016年以降は年々倒産数が増加しており、2019年には過去最多を記録しました。過去30年間でワースト1位だったのは、東日本大震災(3.11)の影響で最も倒産数が多かった2011年の記録でしたが、それをも上回る倒産率……。

倒産だけでなく休廃業などの一般的な閉店も含めると、その数は数千店舗にまで上るそうです。また、2020年は新型コロナウイルス感染症が世界各国で流行し、世界経済に大きな打撃を与え休業を余儀なくされるサロンが多く発生しています。

以前、サロンの生存率が話題になりましたが、たとえばヘアサロンだと3年後の生存率は10%、エステサロンなら5年後の生存率が15%だと言われています。このような状況の中で長い間続けていくのは本当に大変なことです。だからこそ、定着率が高い地元サロンにとっては、この利をいかに活用できるかが鍵になってきます。

参考:(株)東京商工リサーチ「2019年「理容業・美容業倒産動向」調査」

地域密着型サロンの魅力

地域密着型のサロンの最大の強みは、気軽に行けるため継続して通いやすいという点です!よほどのことがない限り、都市部のサロンよりもリピーターを確保しやすいという特徴があります。都市部に比べて競合も少ないので選んでもらえる確率も高いです。

しかも、過去にビューティーパークカレッジが行ったアンケート結果によると、地元のサロンには入りやすいという声が多数派でした。詳しくはこちらサロン集客に繋げる!お客様の声を分析してサロン経営に活かすワザをご覧ください。

地域のサロンの魅力はそれだけに留まりません。家の近所だから行きやすい、という理由で家族ぐるみで利用してくださる方や、ママ友同士の口コミで人気が広がったり、紹介してもらえたりと、集客に余計な時間やお金を割かなくてもお客様が途切れにくい環境が作れます!オープン当初は最低限の集客・宣伝をする必要はありますが、一度軌道に乗ってしまえば後は順調に進むことが都心部よりは多いのです。

ただ、口コミが広がりやすいということは、その地域で悪評が流れたら最悪店じまいすることになりかねないほどの影響があるということです。技術の研鑽はもちろん、接客や店内の清掃などを怠ることがないよう気をつけましょう。

また、商店街の中にあるサロンなどは特にですが、地域のお店同士の連携ができるとやはり集客しやすいです。この頃はどのジャンルのサロンでも業務提携をすることは珍しくありません。

業務提携と言うと何やら複雑で小難しい話のように感じますが、実際にやってみると意外と上手くいくことが多いです。ちなみにこれは都市部でも可能なことではありますが、やはり地域の繋がりが強い地方の方が事を運びやすいと思います。

ユーザー目線から見た地域サロン

実際のところ、お客様からどんな風に思われているのか気になりますよね。サロンごと、スタッフごとに評価はもちろん違うでしょうが、ざっくり「地域のサロン」と括った時にどのような印象を持たれているのかをまとめました。

地方サロンの良いところ

  • 無理に勧誘してきたり、商品を売りつけてきたりしないのが良い
  • 少しリタッチするだけ、前髪を切るだけ、トリートメントするだけなど、近いから頻繁にケアできる
  • 地元ならではの話ができて盛り上がる
  • 最初から最後まで一人の方が施術してくれるのが良い
  • 親身になって相談に乗ってくれる

地方サロンの悪いところ

  • 最新のトレンドや新しい技術などの導入が遅い
  • 都会に比べるとブランド力や技術力が低い

こうして見ると、地元のサロンに良い印象を抱いているお客様が多いことが分かりますね。ヘアサロンにしろ、ネイルサロンにしろ、どのジャンルのサロンも「地域のサロンだと気軽に行きやすい」という声が多かったです。中には「今までエステなんて別世界のことだと思っていて興味すらなかったけれど、近所にできたからお試しで行ってみたらすごく親切で良かった」と月に2回通うようになった方も!

最新のトレンドや技術力に関しては、都会(特に流行の発信地である渋谷や表参道など)のサロンに追いつくのは難しいと思います。しかし、そもそもこれは「地域のサロンに対する印象」であって要望や不満とは違うということに注意しなければいけません。

果たしてあなたのサロンのお客様は最新のトレンドや最先端の技術を望んでいるのでしょうか?お客様が何を求めているかを的確に汲み取り、反映させる力こそが大切なのであって、そこだけに執心する必要はありません。

もしお客様が最新のトレンドや最先端の技術を求めているのであれば、相応の練習や勉強をしなければいけません。しかし都市部から離れた地方ではセミナーに参加するために交通費や時間がかかります。そのため都市部で流行しているスタイルやその技術を取り入れることが難しい方もいらっしゃるでしょう。

そのようなお悩みを解決するのにhairVRという最先端ツールをお勧めします。日本初のVRを活用した美容師向け教育サービスです。hairVRについては「外出自粛期間を有意義に!美容師必見「最先端hairVR」で技術を高める」の記事にて紹介・解説をしてるのでご覧ください。

地域に根差したサロンになる方法

いよいよここからは地域密着型のサロン作りについて言及していきます!地元住民に長く愛されるサロンになるヒントをこのコラムで得てください。

地域のイベントに参加する

地域の人々と交流する機会はできるだけ多く作りましょう。普段からサロンに来てくださるお客様とより親密度を高められたり、サロンに来ない方にもさり気なくアピールできたりします。また、地域行事には他の諸団体やお店も参加することがあるでしょう。そうすると店同士の繋がりを深められるので、その地域での営業がしやすくなるというメリットがあります。

地域のバザーやフリーマーケット、夏祭りなどに出店するサロンは、それが宣伝になるばかりか親近感を抱いてもらえるため、成功しているところが多いです。ワンコインでできる体験メニューを用意しているところ、アクセサリー販売をするところ、自家栽培の野菜を売るところなど、参加の仕方は多種多様です。自分の好きなことや得意なことを活かして、今年はイベントに熱い年にしませんか?

顧客層に合わせた営業時間

地域ごとに住民の特色があると思います。たとえば働き世代が多いベッドタウンだとか、子どもが多い地域だとか、反対に高齢者が多い地域だとか……。前者のようにベッドタウンなら、仕事帰りにも行けるように遅めの時間まで営業した方が良いでしょう。その分、他のサロンよりも開店時間を遅らせれば無理なく働けると思います。

後者のように子どもやお年寄りが多い地域であれば、朝早くからお店を開けると保育園や幼稚園に子どもを送ったその足でサロンに寄ってもらえたり、散歩や買い物ついでに足を運んでくれたりします。

他のサロンと同じように平均的な営業時間にするのは、ターゲット層や潜在顧客層を逃してしまう可能性があるのです……!また、他のサロンがやっていない時間帯でも営業していれば、自然とその時間帯にしか空き時間を作れないという人が集まってきます。

ちなみにこれは定休日を設定するうえでも同じことです。美容室は月曜または火曜休みが多いからと安易に月曜日に休業するのではなく、その地域の人々のライフスタイルを考えながら決めましょう。

業務提携をする

最初の方でも述べましたが、お店同士の繋がりや業務提携は非常に大切です。業務提携とは簡単に言うと「他社の技術やノウハウ、サービス等をお互いに利用して助け合い、成長すること」を指します。サロン同士で業務提携をする、というケースも多々ありますが、ここでは全く違う分野での業務提携例をご紹介します。

  • ヘアサロン×写真館
  • ネイルサロン×結婚式場
  • マツエクサロン×託児所
  • エステサロン×クリニック
  • リラクゼーションサロン×旅館

これらは一例ですが、様々な分野で業務提携をしているサロンがどんどん登場しています。とはいえ「規模が大きい店舗でないと難しいのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし、大手でなくても業務提携は可能です!要は、相手にも相応のメリットがあれば良いのですから。

たとえば、お互いにパンフレットを置いたり、ブログに載せたりという宣伝から、社員割引、コラボイベントの開催などを駆使して相互に送客し合うのです。これにより、それ以上の見返りが得られます。

これまでのコラムでは集客の中でも「誘客」にのみ焦点を当てて述べてきましたが、これからの時代は「送客」も必ずや必要になるでしょう!最初のうちは上手くいかないこともあるでしょうが、まずは一年頑張ってみてください。

社会貢献をする

社会貢献というと大層なことのように聞こえますが、ここで言う社会貢献とは地域の活性化や治安の維持の手助けをすることを指します。

すぐにでも始められるものとしてこども110番の店への登録が挙げられます。皆さん、こども110番の家はご存じですよね。これと同じように最近では一般家屋や公共の施設だけでなく、ガソリンスタンドやマクドナルドのお店やタクシー会社などのこども110番の車まで登場しているのです!子どもに限らず、何かあった時に助けを求められる場所が徐々に増えていっています。

登録は各市町村に問い合わせればすぐに対応してもらえますし、有事の際の対応マニュアルも用意されているので、特別大変なことはありません。登録すれば、地域の犯罪発生防止に貢献できるだけでなく、店外に貼るステッカーで興味を持ってくれる方も出てくるでしょうし、地域住民の方々に好印象を持ってもらえるのは間違いないでしょう。ぜひ、この機会に協力してみてはいかがでしょうか。

参考:警視庁「子ども110番の家」活動マニュアル(PDF形式)

また、近頃は「地方創生」や「町おこし」といった地方活性化のイベントにも注目が集まっています。地域の過疎化や高齢化を改善しようと子育て世代に優しい取り組みをしたり、ネットを使って特産物を通信販売したりと様々な取り組みが行われています。

もし、皆さんのサロンがこうした取り組みに力を入れている地域にあるならば、何か役立てることが見つかるかもしれません。地域の活性化に貢献しながらも、地域での知名度や評判が上がり、メディア掲載されるなんてこともあるかもしれないですね。

しかも!地域活性化のための活動を行うと、商店街や新規出店者に対して国から補助金が出る地域があります!新店出店や移転を考えているのであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか?すべてをここに載せるとけっこうなボリュームになってしまうので、参考までに3つほどご紹介しますね。

①茨城県つくば市 商店街空き店舗活用補助金

茨城県つくば市では、対象地区の空き店舗で新たに事業を始めるオーナー向けに補助金を支給しています。内容は改装費用の半額(上限150万円)と一年間分の賃借料の半額(上限5万円/月)の二種類です。いずれも基準さえ満たして申請すれば補助金が給付されるので、有効活用できます!

②高知県 チャレンジショップ・空き店舗補助金

人口が少ない県ワースト3位にランクインしている高知県では、過疎問題を解決するために経済面から地域の活性化を図っています。そのための試みの一つがチャレンジショップ。将来の開業を目指す複数のオーナーが、本格的な開業の前に一定期間お試し開業ができる施設です。

過去にネイルサロンやエステサロンが出店した例もあります。ここで経験を積んで独立するとなった時、やはり資金面が不安な方もいるでしょう。そんな事業者向けに、高知県では空き店舗補助金にて、内装工事費用の半額(上限100万円)を支給しています。

③長野県松本市 商店街活性化事業補助金

長野県松本市は、商店街の賑わいを創出するための4つの事業に補助金制度を設けています。たとえば商店街の広告宣伝費やイベント開催費、空き店舗を活用する場合の賃借料といったものが対象です。ビューティーパークに掲載されている松本エリアのサロンは543店舗!対象店舗の方、または松本でサロンを開業しようと考えている方は、ぜひこれらの補助金を活用してください。

※あくまでも一例の為、支給金額は満たされている条件や自治体によって異なります。

それと、これは地方創生ほど大規模なものではありませんが、筆者の出身地である埼玉県では「パパ・ママ応援ショップ」という子育て家庭への優待制度を設けています。学校等で配布される優待カードを提示すると割引などのサービスをしてもらえるというものです。

名称こそ違いますが、似たような制度・カードが全国の都道府県にもあります。内閣の呼びかけによって、今では全国で共通利用ができるようになりました。つまり、自分が住んでいる地域外でも「コソダテ」と書かれた全国共通ロゴマークがある協賛店ならどこでも利用できるというわけです。

画像引用元:内閣府「子育て支援事業パスポート」

一つ留意点を加えておくと、この取り組みは税金によって補填されているわけではありません。特典内容は各店舗が自由に決められますが、特典にかかる費用は自己負担、つまり完全に協賛企業側の厚意で行われています。その点を理解したうえで協賛を考えてくださるのであれば、各市町村の窓口か都道府県庁へ申し込んでいただければと思います。申し込みは郵送やメールでも可能なところがほとんどのようです。

地域との繋がりで10年、20年続く老舗サロンへ

最初に述べた通りサロンの生存率はとても低く、せっかく念願叶って自分のサロンを出せてもすぐに撤退する羽目になるケースが後を絶ちません…しかし、そんな中でも長く続いているサロンを見てみると、そういったサロンでは地域や人との繋がりをとても大切にしています。よく人との関係は鏡なのだと言われますが、まったくその通りだと思います。あなたがサロンのスタッフやお客様、地域の人々を大切にしただけ、周りもあなたとあなたのサロンを大切にしてくれるでしょう。

この熾烈な競争社会の中で荒波に呑み込まれずに生き残るためには、地域での繋がりを深めることが必要不可欠です!今回お伝えした取り組み以外にもできることはまだまだあります。どうぞ、いろいろなことにチャレンジしてみてください。あなたのサロンが10年先も20年先も皆から愛されるサロンになれるよう、心から応援しています。