休職と退職どっちを選ぶ?それぞれの特徴や対応方法を徹底比較!

何かしらの事情で仕事を続けられないと考えたとき、とりあえず休職するか、思い切って退職をするかで悩みますよね。その際に気になるのは、休職中の手当てや休職可能期間、あるいは退職金や転職先などでしょう。

この記事では、休職と退職のメリット・デメリットや、置かれている状況ごとにどちらがおすすめかを簡単に解説していきます。身の振り方を決める前に、ぜひ一度目を通してみてください。

休職と退職の違いとは

初めに、休職と退職それぞれについて整理しておきましょう。そもそも休職とはどのような人が利用できるのか、退職にあたってのルールはあるのかなどをご紹介します。

休職とは

休職とは、自己都合で会社を長期間休むことです。産休や育休も「会社を長期間休むこと」ではありますが、休職とは扱いが違います。法律上で定められている産休や育休と異なり、休職は各企業が社員のために設けた制度です。会社の就業規則によって休職期間や休職対象者などが変わります。

休職中は給料の支払いが発生しません。ただし、病気や怪我の場合は傷病手当金を受け取ることができます。傷病手当金を受け取れるかどうか、どの程度受け取れるのかは条件によって変化しますが、最長で支給開始日から通算して1年6か月の受給が可能です。

なお、傷病手当金は本来の給料(休職前1年間の平均給与が基準)の3分の2になります。休職前の就業期間が1年未満の場合は、休職するまでの平均月額給与または全保険者を対象にした標準月額給与のいずれか低い額が基準です。

退職とは

退職とは、会社と労働者が結んでいる雇用契約を終了させることです。なお、会社側から雇用契約を打ち切られる場合は「解雇」になるので退職には当てはまりません。

退職には「自己都合退職」「会社都合退職」「定年退職」「死亡退職」の4種類があります。毎年700万人以上もの退職が出ていますが、4種類の中で最も多いのは「自己都合退職」です。仕事に対する不満やキャリアアップ、家庭の事情など、人によってその退職理由はさまざま。終身雇用が当たり前の時代ではなくなったからこそ、より良い生き方を求めて自己都合退職する人が増えているのではないでしょうか。

また、退職は労働者全員が等しく持つ権利です。そして、退職者の権利といえば退職金の受給が挙げられますが、退職金の定めについては会社ごとに異なっているので、退職金がまったく出ないという場合もあります。

ちなみに、自己都合退職の場合で次の転職先が決まっていない場合は失業手当を受け取ることが可能です。もっとも、雇用保険に加入していれば誰でも受け取れるというわけではありません。失業手当を受給できるのは、雇用保険の加入期間が過去2年間で通算12か月以上あることが必須です。また、ハローワークで求職活動を積極的に行っていることが条件としてあります。

休職のメリット・デメリット

休職のメリット
・休職が明けたら復職できる
・仕事から離れて自分のことに時間を使える
・場合によっては傷病手当金が受給できる

休職することで得られる最大のメリットが復職できることです。退職する場合は、実家やパートナーなどに頼れる場合を除き、金銭的な不安が付いて回ります。転職先が決まれば問題ないことではありますが、転職活動ができない状態だったり、なかなか転職活動が上手くいかなかったりすると不安になるものです。
しかし休職であれば復職できるので、将来に対する不安は軽減されます。また、新しく仕事を覚えたり、人間関係を一から築き直したりといった手間がないのも魅力です。

それから、休職の方が仕事をしない状況でも気楽にいられるというメリットがあります。退職した場合は転職に関わるあれこれで忙しくなることもあるでしょう。退職後に転職活動をしないでいたなら、家族から急き立てられることもあるかもしれません。ですが、休職は「休む」ことが必須であり一番の目的なので、休職期間中は何をしていても自由です。趣味に没頭しても良いですし、資格取得などの勉強をするのも良いでしょう。なかには、留学するために休職したという例もあります。

3つ目のメリットは、怪我や病気で休職する場合に傷病手当金がもらえるということです。前述した通り、平均給与の3分の2が働かなくても収入として得られるのは非常に大きなメリットと言えます。医師の意見書を提出したり、こまごまとした申請手続きをしたりする必要はあるので、傷病手当金の受給を検討している方は会社とも相談しながら準備を進めていくと良いでしょう。
なお、医師の意見書は診断書とは別物であり、診断書では代用できません。医師が診ていなかった機関については意見することができないので、確実に受給するためにも休職前または休職開始直後には病院へ行き、意見書を書いてもらいましょう。

休職のデメリット
・休職理由を会社に言わなければならない
・収入が減る、またはなくなる
・昇進や昇給が遅れる

休職する場合は退職時よりも詳細に自分の状況を会社に伝える必要があります。退職は労働者の権利ですが、休職は会社の厚意で設けられている制度だからです。また、会社側としても休職を許可すべきかどうかを判断する必要があるので、個人の立ち入った事情も聞かざるを得ないことがあります。
うつ病に代表される精神疾患や女性特有の疾患などが理由の場合、あまり人には知られたくないという方もいるでしょう。そのような方は、いっそ適当な理由を付けて退職する方が良いと思うかもしれません。

また、先ほど述べたように休職は自分の都合で会社を休むことなので、極端な見方をすれば欠勤と同じ状態です。当然のことながら働いていないので給料はもらえません。傷病手当金が受け取れたとしても、確実に収入は下がります。これはどうしても避けられないデメリットです。

さらに、休職期間が長引けば長引くほど、昇進や昇給が遅れてしまうので、歯がゆい思いをすることもあるかもしれません。特に、一般的な昇進・昇給の時期である年度末~年度初めにかけて休職してしまうと、査定対象にすらならない可能性もあります。

退職のメリット・デメリット

退職のメリット
・会社との関わりが断てる
・条件によっては、まとまったお金が受け取れる
・いつでも転職できる

退職による一番のメリットは、会社と一切関わらなくて済むようになるということです。人間関係や業務内容などに不満があり、会社へ行くこと自体がストレスだった場合には特に大きなメリットと言えるでしょう。退職さえすれば会社や会社の人との関わりはなくなります。

また、すべての退職者が当てはまるわけではありませんが、条件さえ満たせば退職金や失業手当、傷病手当金を受け取ることが可能です。傷病手当金は先ほど休職のメリットとして言及しましたが、退職後でも申請条件を満たしていれば問題なく受給できます。退職後は経済的に不安定になりやすいので、本当に退職していいものか悩む方も多いと思いますが、自分はこれらの受給対象になるかどうかを確認してみてはいかがでしょうか。

そして、退職さえ決まれば自由に転職することができます。休職は一定期間経過後に復職することが前提なので、休職期間中に転職活動をするのは望ましくありません。ですが、退職にはそのような縛りはないうえ、次の職場に行く方が一般的です。退職する前であっても転職活動は堂々とできます。転職活動が上手くいけば将来に対する不安も軽減されるでしょう。今の会社へ行かなくても安定した生活ができるようにするのはとても大切なことです。

退職のデメリット
・転職できなければほとんど収入がない
・健康保険や年金などの手続きが必要
・生活が一変する

一方で転職をしない場合には収入が大幅に激減します。ある程度の貯金があり、各種手当を受け取れることができれば、しばらく凌ぐことができるでしょう。しかし、それが長期間にわたるとなると話は別です。いずれは無収入状態になってしまうので、生活するのが危うくなってしまいます。

また、退職する場合はその会社で入っていた各種保険から抜けることになるので、転職先で新しく手続きし直さなければいけません(手続き自体はほとんど総務部にあたる部署でしてもらえます)。特に面倒なのがしばらく転職しない場合。保険や年金に関する手続きはすべて自分で行います。人によってどのような手続きが必要になるかは違うので、あらかじめ調べておくのがおすすめです。

それから、良くも悪くも生活がそれまでと一変します。今まで行っていた会社に行かなくなるということは、出勤時間や業務内容に変化が生じるということです。転職しなかった場合も、今までとは大きく生活スタイルが変わるはずです。それが良い方向に影響すれば言うことなしですが、時として悪い方へ向かってしまうこともあります。急激な生活の変化に心身がついていけなくなるかもしれません。休職よりも先行きが不透明であり、リスクが高いのが退職のデメリットです。

休職と退職ならどっちが良い?

ここまで、休職と退職の特徴やメリット・デメリットを見てきましたが、結局のところどちらを選ぶのが良いのでしょうか。実は、その人が置かれている状況によって適切な選択は変わるため、一概にどちらが良いとは言えません。そこで、ここでは休職するのがおすすめの場合と、退職の方がおすすめの場合に分けてまとめました。休職か退職かで迷っている方は、どちらを選ぶべきかを考えるときの参考にしてください。

休職した方が良い場合

  • 職場環境や待遇に不満がない
  • 会社員としての特権が欲しい
  • 今後について落ち着いて考えたい

上記のいずれかに当てはまる場合は、休職を検討してみた方が良いかもしれません。休職の一番の特徴は復職できることなので、「また働きたいと思えるかどうか」が大きな判断基準になります。一時的に休んだとしても人間関係や給料に満足しており、復職したいと思えるのであれば休職する方が向いているでしょう。

とはいえ、このような居心地の良い会社ばかりではありません。なかには二度と行きたくないと思うような会社に勤めている方もいると思います。ですが、その場合でも休職と退職のメリットを天秤にかけ、自分にとって最も良い道を選び取ることが大切です。

すぐに転職できるような状況なら退職でも問題ありませんが、何らかの事情で転職が難しい場合、退職してしまうと無職扱いになってしまいます。すると、クレジットカードや不動産(賃貸契約を含む)の審査にも落ちる可能性が高くなってしまうのです。もちろんローンは組めません。そのほか、将来的に受給できる年金額を考えると、少しでも長く会社員期間を延ばした方が賢明です。

また、一時の感情に流されて退職を決めてしまうと、後悔することもあるかもしれません。とにかく今の状況を離れて冷静になりたいという方には休職がおすすめです。休職期間中によく検討したうえで、最終的に退職を選ぶというのも一つの選択肢としてあります。実際、休職後に復職せずそのまま退職するケースも一定数あるので、冷却期間として活用してみてはいかがでしょうか。

退職した方が良い場合

  • 休職制度がない
  • 会社に何かしらの不満がある
  • 転職に前向き

会社によってはそもそも休職制度を設けていないところもあります。そのような場合は退職せざるを得ません。まずは自分の会社の就業規則を確認し、休職制度の有無を確認しましょう。就業規則にはないけれど、どうしても休職したいという場合には、上司や人事部に相談してみてください。

また、退職理由が会社側にある場合は、休職したところで復職後に状況が改善されるとは考えにくいです。実際、とりあえず休職したものの、いざ復職の時期が近づくと会社に行く気になれず、ずるずると休職を引き延ばしてしまったり、結局復職せずに退職したりするケースが多々あります。そのような場合は思い切って退職し、環境をガラッと変えてみるのも一つの手です。

それから、転職してやりたいことがある方や、転職活動を既に始めている方に関しては、やはり退職するのが良いでしょう。たいていの場合、退職を申し出るのは退職日の1~2か月前と就業規則で定められていますが、その期間よりも前であればいつ申し出ても問題ありません。極端な話、1年後に辞めますと言っても良いわけです。あらかじめ退職を申し出ておき、有休を活用しながらじっくり転職活動をする方もいます。

休職と退職どっちの場合でも動くことが大切!

休職と退職のどちらを選択するにせよ、自身の今後を左右する重要な決断です。そのため、なかなか決められずに動けないという方もいると思います。ですが、考えているだけでは前に進みません。まずは上司や家族に相談したり、自身のキャリアプランを見つめ直したりすることが大切です。

また、身近な人には相談しづらいという場合、ハローワークや労働基準監督署などに相談してみると、何かヒントが得られるかもしれません。公的機関に相談へ行くのはハードルが高いと感じるのであれば、最近広がりを見せている退職代行サービスを活用するのもおすすめです。退職代行サービスならLINEやメールで気楽に相談することができます。退職代行を依頼しないとしても、親身になって相談に乗ってくれます。事前相談であれば料金はかからないのも魅力です。

とにかくまずは行動に起こすことが何よりも重要なので、まだ迷っているという方は、今回ご紹介した内容を参考に各種手当の対象になるのかを調べたり、休職した場合と退職した場合でそれぞれシミュレーションしたり、あるいは信頼できる人に相談したりしてみてください。