美容室、マツエクサロン、エステサロン……美容業界に限らずどんな職種であれ、クレーム対応は頭を悩ませる事柄の一つです。避けられるものなら避けて通りたいという思いから、サロンによってはマニュアル化して、新人教育においても重要視しているのではないでしょうか。

では、どのような点に注意をすればクレームを減らす・無くすことができるのでしょうか?果たして今サロンで活用しているクレーム対策は理にかなっているのでしょうか?
今回のコラムでは、クレームが起こる「原因」、クレームが来たときの「対応方法」、クレームを受けないための「対策」、の3点からクレーム対策をまとめていきます。

Beauty Parkに掲載しませんか?

美容サロンのWeb集客を低コストではじめる Beauty Park

※資料請求・審査は無料です

クレームが起こる原因

お客様がクレームをつける理由として共通しているのは、顧客満足度の低さです。では、具体的にどのようなことがクレームを生んでしまうのでしょうか?実際に起ったクレームを一部取り上げたので、原因を分析してみましょう。

・「いらっしゃいませ」や「お待たせしました」といった声掛けがなく、愛想も悪かった
・予約していたのに長時間待たされた
・事前に施術内容の説明をしてもらえなかった。また、事前に説明してもらった内容と違う施術をされた。
・技術が力低い、施術が雑
・ネイルの持ちが悪い。すぐに外れてしまう。
・高額なサプリや健康器具を売り付けられた。押し売りされた。
・サロンの都合で一方的なキャンセルをされた

このように見てみると、お客様が想定していたサービス内容と食い違っていたために、クレームが起きたことが分かります。他のサロンでこんな対応をされたことはない、サイトに書いてあったのと印象が違う、といったことが前提としてあるのです。
もちろん、サロン側に一方的な過失がある、あるいはお客様自体が悪質なクレーマーという場合もありますが、ほとんどのクレームはお客様の期待や要望に応えられなかったことが原因だと言えます。

クレームが来たときの対応方法

では、上記のようなクレームを受けた際にどう対応するのが正解なのでしょうか?
弁明をしてもなかなかお客様が納得してくれない、威圧される、などクレーム対応に苦手意識を持つ方は多いです。しかし、冷静に内容を見極めて『クレーム対応3原則』を意識することで、上手に対応することができます。その3原則がこちらです!

① 相手の気持ちに寄り添った謝罪をする
② 事実確認をする
③ 解決策や再発防止策を提案し、しっかり説明する

皆様のサロンではこの3原則を意識することができているでしょうか?それぞれ詳しく見ていきましょう。

① 相手の気持ちに寄り添った謝罪をする

やってしまいがちなNG例として、ただただ謝罪の言葉を何度も口にすることが挙げられます。
お客様は苦情を言って謝ってもらうことが目的なのではなく、何かしらの解決策を求めて問題を伝えてきます。そのため、ただ謝罪を繰り返し述べることを煩わしく感じる方もいらっしゃるのです。謝罪しなければならない内容に対して確実に謝罪の言葉を述べましょう。
また、クレーム対応において重要なのは、お客様の心情に寄り添う「共感をすること」がポイントとなってきます。

「この度はご不快な思いをさせてしまい、大変失礼いたしました」
「お客様のご期待を裏切ってしまったこと、心よりお詫び申し上げます」
「今回の件で不安に感じられたことと思います(共感)。大変申し訳ございません」

いかがでしょうか?このようにお客様の気持ちを理解していることを示すと、「このサロンのスタッフは、自分の思いをきちんと汲み取って対応してくれている」、「しっかりと解決のために動いてくれる」という信頼の気持ちが生まれ、謝罪を受け入れやすい心理状況になり、比較的早く冷静になれます。
また、このような言い回しであればサービス内容や商品に非があったことを謝罪しているわけではないので、言質を取られることもありません。ただ、お客様が不快に思ったり、不安を感じたりしたことは事実なので、そこはしっかりと念頭に置いて誠心誠意謝るのがマナーです。

② 事実確認をする

直情的な方や、とにかく気持ちを分かってもらいたいという方は、つい感情に任せてものを言ってしまうため、十分に事情を説明せずに話すことが多いです。しかし、何が問題なのか、具体的に何をしたらいいのかが分からなければ、根本的な解決には至りません。ですので、一度ご立腹されているお客様に落ち着いてもらうためにも何があったのかを説明してもらいましょう。

「恐れ入りますが、詳しい状況をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「分かる範囲で構いませんので、お手数ですがご来店日や担当スタッフについてお聞かせ願えますでしょうか?」
「差し支えなければ、商品を購入した時の状況や、開封後の状態についてご説明いただけますでしょうか?」

このようにクッション言葉を使いながら、やんわりと尋ねてみてください。
また、何から話していいのか分からず混乱していそうな方には、二つ目と三つ目の例のように、こちらから聞きたいことを具体的に示し、知りたいこと・答えに誘導するように話すとスムーズです。

そのようにしてお客様から状況を聞いた後は、担当していたスタッフやカルテを元に事実確認を行いましょう。これらをおろそかにすると、次に③で述べる解決策の提案が適切にできませんし、さらに問題がややこしくなることもあるので、必ず情報に誤りや見落としがないか確認を取ってください。

③ 解決策や再発防止策を提案し、しっかり説明する

事実確認をした上で改めて謝罪し、解決策や代替案を提示します。お客様側の勘違いであれば、丁寧に説明したうえで手間をかけさせてしまったことや、複雑で分かりにくかったことなどをお詫びしましょう。

また、お客様に無駄な徒労だったと思わせないためにも、再発防止のためにできることを述べると印象が良くなります。実際、他のお客様からのクレーム予防にもなるので、お客様に話したことは近いうちに取り組みましょう。

不満を持った人の中でクレームを言う人は約4割。あとの6割は何も言わずに我慢するか去っていきます。この6割の潜在層を掬い上げるためにも、再発防止策は必須です。

クレームを受けないための対策

そもそもクレームの発生を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?
最初から全くクレームを受けないようにするのは難しいですが、クレームを繰り返さないことはできます。個々のクレームを適切に処理・分析し、改善に努めることで、徐々にクレーム件数を減らせることができるのです。

一件、クレームをいただいたら、どんなに小さな案件でも「クレームの内容」、「いつ起きたか、対応したか」、「誰からのクレームに誰が対応したか」、「どのように対応したか」、「なぜクレームが起きたのか」、「今後、どのように改善するか」等をまとめて記録します。
そして、内容はスタッフ全員に共有し、よりよい運営ができるように協力し合いましょう。また、このように記録を積み重ねていけば、自分たちのサロンに特化したデータ、最適なマニュアルが作れます。それらを元にクレームになりそうなところを洗い出し、予防に努めていくのが確実です。

加えて、日頃からお客様との信頼関係を大切にすることもクレーム防止に繋がります。強い信頼関係を築くことで、クレームではなく注意に留まったり、お客様視点での気づきや指摘をいただいたりできるからです。一人ひとりのお客様と真摯に向き合い、良い関係を築くことが愛されサロンへと近づく第一歩になります。

さいごに

クレーム対策について、理解は深まったでしょうか?
クレームは決して避けて通れるものではありませんが、その都度丁寧に対応し改善していくことで、お客様にとってもスタッフにとっても、快適なサロン運営ができます。つまり、お客様からのクレームはサロンがさらに良くなるチャンスともいえます!
このコラムがチャンスを掴むきっかけとして役立てるなら嬉しい限りです。
接客トークが苦手な方は過去にサロンで働くスタッフの営業トークが一瞬で上手になる接客術をご紹介しております。是非参考にし、スキルアップにつなげてください。
あなたのサロンがもっと成長していけるよう願っています!