多くのサロンでは美容商品を販売し、客単価を上げていると思います。新型コロナウイルスの流行が始まって以来、物販による売上強化に努め、ネット販売を始めたサロンも少なくありません。
ネット販売は効率よく売上を立てるのに重要な役割を果たします。このコラムでは業界全体の需要やおすすめのネットショップについて分かりやすく説明していくので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

ネット販売の需要拡大

引用:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」

日本でネット販売が始まったのは1990年代のことでした。その後、インターネット環境が整備され、パソコンやスマートフォンが普及したことにより、ネット販売を利用する人の数は増え続けています。そして直面したコロナ禍。外出自粛が求められているうえ、時短営業や休業をするお店が急増したため、これまで以上の勢いで国内のEC化が進んでいます。

事実、BtoC(企業対顧客)のネット販売は特に物販系分野において非常に需要が高まっており、2020年の市場規模は122,333億円で前年比+21.71%と大幅に拡大しました(※上のグラフの青い部分)。

この需要の高さは一時的なものではないかと考える方もいると思います。しかし、コロナ禍による巣ごもり消費ニーズは市場拡大のきっかけに過ぎません。もともと成長著しい市場なので、新型コロナウイルス終息後もネット販売の需要は衰えないでしょう。ですから、EC化を検討している場合にはこの風潮に乗り遅れないよう、早めのネット販売導入をおすすめします。

参考:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」

ネット販売を始める前に注意すること

ネット販売に対するニーズは非常に高いです。新型コロナウイルスが流行して以来、このニーズを汲んで業種を問わず数々の企業がネット販売を始めました。それはつまり、競合が多いレッドオーシャンになりつつあるということ。ですから、単純にネットショップを開設したり、大手ECサイトに出品したりしても思ったような効果を出すのは難しいでしょう。

激しい競争社会の中でも確実に成果を上げていくためには、現在とこれからの動向を見据えたうえで戦略を立てる必要があります。よって、ここからはネット販売を始める前に把握しておきたい3つのことをご紹介していきましょう。

①需要の変化

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新型コロナウイルスによる経済への悪影響はご存じの通りです。コロナ禍を機に大きく伸びた分野もありましたが、多くの業界は苦境に立たされています。多数の企業でボーナスの減少や雇用調整などが行われており、世間では大きな支出を避けようという風潮が今まで以上に強まっているので、嗜好品や高級品に対する需要は低下中です。その一方で、食品や衣類、日用品といった生活必需品に関してはECサイトで購入する人が増えており、需要は高まっています。また、テレワークなどで家にいる時間が長くなったことにより、家電製品や健康グッズなどに対する需要も引き続き見込めるでしょう。

つまり、美容サロンの物販でよく取り扱われているシャンプー類や化粧品、美容家電、サプリメントなどの需要がネット販売の分野において高まってきているということです。該当する商品を取り扱っているサロンは、それらを当面の主力商品としてネット販売すると良いでしょう。

②無在庫販売と有在庫販売の見極め

本格的に物販に力を入れていくとなった時に心配なのが、在庫の保管場所や過剰在庫です。しかし、ネット販売では実際にお客様が手に取ってみるわけではないので、無在庫販売も可能になります。無在庫販売とは、お客様から受注を受けてから仕入れ・発送を行う受注販売と、自分で商品の在庫管理や検品・発送を行わない外注販売のことです。

自分で在庫を持つ必要がないので、売れ残りや保管スペースの確保といった心配はありません。在庫管理に必要な手間やコストもカットできます。ただし、無在庫販売にもデメリットはあるので注意が必要です。たとえば受注販売の場合、お客様に届くまで時間がかかってしまうので、顧客満足度の低下やリピート率低下に繋がりかねません。また、直接在庫管理ができないということは、不慮の在庫切れや在庫品質のバラつきといったリスクも含みます。

このようなメリット・デメリットをしっかり検討したうえで販売方式を定めることが重要です。

ECモールと自社ECの使い分け

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ネット販売を始めるにあたって直面するのが、どこをプラットフォームとするかです。ここをないがしろにしてしまうと、せっかくネット販売を始めても思うように集客できず赤字撤退をすることになりかねません。ECサイトは実店舗と比べて比較検討しやすいため、顧客の取り合いが激しいきらいがあります。各プラットフォームの特徴を理解したうえで、適切な販売方法を選ぶことが重要なのです。

ECモールの強み

ECモールとは、ショッピングモールのように複数のネットショップが集まってできた大きなECサイトのことです。Amazonや楽天市場などがECモールに当たります。この通り、ECモール自体の知名度が高いのでサイト訪問者が非常に多いのが特徴です。そのため、販売する商品によっては特別な集客をしなくても購入してもらえます。独自の集客手段がない、または集客にかけるコストを抑えたいという場合には、ECモールでの販売が向いているでしょう。

自社ECの強み

独自のネットショップを開設したり、アプリやホームページの機能を使ってネット販売を始めたりする自社ECは、ブランディングに特化しています。コンセプトに合わせてネットショップをデザイン・構築することで、ブランドイメージを打ち出しやすくなるからです。そのため、求めるターゲット層の囲い込みもしやすくなります。

また、ECモールと違って他と比較されにくいため、価格競争の影響を受けにくいのも特徴です。価格重視ではなく品質重視のお客様を集めやすいので、利益率が高い傾向にあります。

初めてネット販売をするなら

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結局のところ、初心者がネット販売を始めるなら何が適しているのでしょうか。

販売する商品やネット販売の目的にもよりますが、美容サロンであれば自社ECをおすすめします。というのも、美容サロンで扱っている商品はサロン以外ではなかなか手に入らないものであり、サロンが販売しているということこそが信頼やブランド強化に繋がるからです。そのため、多数の中の1つに過ぎないECモールよりも、サロンの直売品であることが分かりやすい自社独自のECサイトを使った方が良いでしょう。

自社ECにもいろいろとありますが、特に活用したいのはネットショップ作成サービスです。ホームページなどに直接ショップ機能を搭載するのでも良いのですが、それではかなりの費用がかかってしまいます。やるべきことも多いですし、まずは小さくお試しで始めたいという場合にも向きません。コストを抑えて最小限のリスクで開設できるのがネットショップ作成サービスの長所なので、ここからは初めてのネット販売におすすめのネットショップについてご紹介します。

人気ネットショップBASESTORESを比較

日本国内で特に人気のあるネットショップ作成サービスはBASE(ベイス)とSTORES(ストアーズ)の2つです。その他にも海外販売に強いShopify(ショッピファイ)やハンドメイド作品の販売に特化したminne(ミンネ)などがありますが、サロンの商品を販売するということであれば、さまざまなジャンルに幅広く対応しており機能性も高いBASESTORESが良いでしょう。

BASEとSTORESそれぞれの費用と特徴を挙げていくので、自分のネットショップを開設する際の参考にしてください。

BASE

引用:BASE公式サイト

登録料

無料

月額

無料

決済手数料・サービス利用料

6.6%+40

1注文ごとに上記の販売手数料が発生

振込手数料

2万円未満…750

2万円以上…250

BASEは初期費用0円で誰でもネットショップを開設することができるサービスです。ネットショップ運営の効率化と品質向上用に有料の拡張機能がありますが、利用は強制ではないので無料サービスの範囲内で十分にネットショップを構築できます。そのため、購入されるまでは一切費用がかかりません。

スマートフォンでの操作・管理

ネットショップを開設するにあたって最初にデザインやレイアウトをカスタマイズする必要がありますが、テンプレートが用意されているのでスマートフォンでもショップ構築が可能です。ネットショップの運営というとパソコンで行うイメージがありますが、BASEショップオーナー用のアプリ「BASE Creator」があるので、商品管理などもスマートフォンだけでできます。パソコン操作が苦手な方や、移動や出張が多く出先でも管理したい方などにおすすめです。

安心・豊富な決済システム

BASEでネットショップを開設した場合、「BASEかんたん決済」が搭載されているので、カード会社などと契約することなく多数の決済方法に対応できます。クレジットカード払いはもちろんのこと、キャリア決済やコンビニ払い、銀行振り込み、PayPal決済、後払い、Amazon Pay7種類の決済方法が利用可能です。

また、BASE不正決済保証やエスクロー形式の決済を導入しています。そのため、クレジットカードの不正利用でチャージバックされ、商品を発送したのに代金が支払われないといった事態や、商品を発送したのに支払いを拒否・滞納されるといった事態に陥る心配がなく、安心してネット販売ができます。

※エスクロー決済とは、購入者からBASEが代金を預かり、購入者に商品が届いたらショップオーナーに代金が渡される仲介決済のこと

取得済み独自ドメインの利用

既に自社ドメイン(URL)を持っている場合、それを反映させてネットショップを作りたいという方もいるでしょう。そのような方向けにBASEでは「独自ドメイン App」という無料アプリを提供しています。このアプリを利用することで、取得済みの独自ドメインを反映させることが可能です。ちなみにサブドメイン形式のもののみ設定できるので、その点にはご注意ください。

SEO対策しやすい仕様

ECモールと違い、自社ECの場合は集客にも力を入れなければいけません。そのためには、お客様に見つけてもらいやすくする工夫が必要です。ホームページに紐づけたり、SNSやメルマガで宣伝したり、ネット広告を出したりと、さまざまな工夫ができますが、大きなコストをかけずにできる工夫の一つにSEO対策というものがあります。これは、サイトを充実させることでネット検索をかけた際に上位表示されやすくする工夫のことです。

BASEではネットショップの説明文を設定できるほか、ブログもサイト内で作成できるので、SEO対策に有利な仕様となっています。質の良い文章を増やすことにより見込みユーザーの訪問が期待できるので、ネット販売を成功させるためにぜひとも活用したい機能です。

参考:BASE公式サイト

STORES

引用:STORES公式サイト

登録料

無料

月額

フリープラン…無料

スタンダードプラン…1,980円(税抜)

決済手数料・サービス利用料

フリープラン…5

スタンダードプラン…3.6

1注文ごとに上記の販売手数料が発生

振込手数料

1万円未満…550

1万円以上…275

STORESには「フリープラン」「スタンダードプラン」2種類があり、それぞれ料金や機能が異なります。どちらを選ぶかは自由ですが、まずはフリープランで試してみるのが良いでしょう。フリープランは月額無料なので、BASEと同じく購入されるまで費用がかかりません。確かにスタンダードプランの方が手数料も安く、多機能かつ高機能ですが、一定の売上が立たないと収益は赤字になってしまいます。ある程度の売上が立ち、集客の見込みができた段階でスタンダードプランに移行するのがおすすめです。

豊富なテンプレート

引用:STORES公式サイト

ネットショップを構築する際の無料テンプレート数はBASE10種類なのに対し、STORESは48種類と非常に豊富です。無料の範囲内でも気に入るデザインが見つかりやすく、低コストで見た目にもこだわりたいショップオーナーから重宝されています。

BASEは有料テンプレートも含めると100種類以上あります

実店舗でも使用できる「STORESレジ」

STORESならではのサービスに「STORESレジ」という無料POSレジアプリがあります。なんとネット販売だけでなく実店舗での会計時にも利用可能なのです!

iPadを持っていることが前提ではありますが、初期費用も利用料も不要で導入できます。STORESレジは「STORES決済」と連携できるので、簡単にキャッシュレスシステムを導入できるのもポイントです。この場合も初期費用や固定費はなく、会計時の決済手数料のみで利用できます。

実店舗でのキャッシュレス決済を検討している方、導入に必要な手続きや初期費用の面で悩んでいる方は、STORESレジとSTORES決済の利用がおすすめです。

自己管理不要の倉庫サービス

商品の保管・発送を代行する倉庫サービスを利用することができます。同様のサービスはBASEにもありますが、STORESは発送代行料しかかからないのが特徴です。初期費用も固定費もかからないため、店舗を改装する間だけ利用するといった限定的な活用もできます。

なお、冷凍・冷蔵が必要な商品やオーバーサイズの商品などは入庫することができません。また、一度に200個以上の大量入庫は通常と異なる手続きが必要なので、詳細はSTORESのカスタマーサポートまでお問い合わせください。

参考:STORES公式サイト

ネット販売で成功するには

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最後に、ネット販売をするうえでのアドバイスを。

上記でも少し述べましたが、ECサイトが急増している以上、競合との競争は避けられないでしょう。数ある競合の中でも自分のネットショップを目立たせることが必要です。この点に関しては実店舗での集客と変わりません。スタート時期にこそ集客に力を入れなければ、満足な売上を立てるのは困難です。

そのため、お客様の目に触れる機会を増やそうといろいろなECサイトに登録する方もいます。ですが、管理にかかる手間を考えると、たとえ無料のサービスだとしても登録するのは2つか3つに留めておいた方が無難です。そのうえで集客できる仕組みを整えましょう。

ビューティーパークカレッジでは、ネット販売における集客システムの確立もお手伝いしています。各サロン様の状況やご要望を伺ったうえで最適なプランを提案させていただきますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。補助金を活用するなども対応可能なので、資金面で不安な点がある方もまずは一度ご相談いただければと思います。

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※当記事は執筆時(20219月現在)の情報をもとに作成したものです。最新の情報につきましては、各サイトよりご確認いただきますようお願いいたします。